大阪出張(3)
大阪二拠点生活2週目が終わった。
今週は友人知人が教えてくれた大阪のオススメスポットへ出かけることに。
今回一番印象が強かったのは西成。クラシック喫茶バーを訪ねた。
私はヒールだろうがどんなフォーマルを着ていようがどこにでも気にせず出掛ける。ただし西成は初めての例外で、駅を出た瞬間から本能が「今回ばかりは(治安その他もろもろを)気にしろ」「ホテルに帰れ」と危機感を訴えてきた。
必死に本能と戦いながら辿り着いた店内はクラシック音楽好きには最高としか言えない場所で、イギリスの大きなスピーカーや数え切れないほどのCD、レコードがある。
フォーレのペレアスとメリザンドをリクエストしてかけてもらうと、フォーレのピアノロール録音もあると教えてくれた。人が演奏したものを記録したパンチカードを機械で読み取り、他のピアノで演奏を再現出来るというもの。100年以上前の偉大なる技術。
実際聞いてみた音源は音の強弱こそデジタルで記号的だけど、リズムや音の行間はフォーレが弾いたものそのものを味わえた。みなみにドビュッシーの弾いた「沈める寺」のピアノロールが好きだ。
その後は他のフランスの作曲家やポーランド系のピアニストの話(確かヨゼフ・ホフマン、違ったかも)、グールドが好きだとか、社会性にちょっと難があるけど音数の多い洒落た音楽を作る人(アルカン)の話とか、色んな話をしてもらった。
都会にいたってコアなクラシック好きはオタク扱いでそもそも取っ付きにくい文化だけど、日雇い労働者の街にクラシックを大音量で聞けてラフに入れる(私は危機感と好奇心が拮抗してお店のある商店街を5往復したが(その往復の方が危険だったしもしれない))場所があるのは本当に良いなぁと思った。ちなみにお店の治安は良いし、店主も安心出来る上に博識すぎるので何度でも通いたい。
次はクラシックを勉強してみたいと言う友人と一緒に尋ねることにした。